内見チェックリスト付き!

プロが教える物件の見方【中古戸建て編】

「中古戸建ての内見って、どこを見ればいいの?」
中古戸建を買いたいけれど、古い建物の中にどんな問題が潜んでいるのか不安……。

そんな方のために、不動産のプロの視点で「内見時にチェックすべきポイント」をまとめたチェックリストをご用意しました。

「ちょっとした見た目の劣化が、実は重大なトラブルのサインだった!」なんてことも珍しくありません。

この記事では、後悔しない中古戸建選びのために、内見で見るべき場所・見落としがちな注意点を、写真付きで分かりやすくご紹介します。

中古戸建ての“見えないリスク”を見逃すな!

では、中古戸建の内見では、いったいどこを見ればいいのでしょうか?

築年数の経った物件には、「見た目はきれい」でも、実は思わぬ落とし穴が隠れていることがあります。リフォーム済みの内装に安心してしまいがちですが、本当にチェックすべきはその“奥”に潜んだ部分です。

特に注意したいのが、「構造的な問題」と「生活に支障をきたすトラブル」。これらは、購入後に多額の修繕費や暮らしのストレスにつながる恐れがあるため、内見の段階でしっかりと見極めておくことが重要です。

建物の構造に関わる重大な問題

・腐朽・シロアリ被害

中古の木造住宅では、柱や土台の腐朽、そしてシロアリ被害が大きなリスクです。
これらは建物の強度を著しく損なうだけでなく、最悪の場合は倒壊リスクに繋がることもあります

建物の傾き

極端な傾きは、建物の基礎や地盤に異常がある可能性があります。こうした問題を見逃すと、将来的に倒壊リスクに繋がる恐れもあります。

生活に直結するトラブル

雨漏り

見落としがちですが、雨漏りは内部の断熱材や柱などにじわじわとダメージを与えるため、放置すれば大規模修繕が必要になるケースも。

 

水道の不具合

水の出が悪かったり、排水がうまくいかないなど、給排水設備の劣化や詰まりが原因で起こることがあります。

 

下水の臭い

室内に異臭が漂っている場合は、配管の劣化や詰まりなど、見えない部分のトラブルが隠れている可能性があります。

こうした問題が、果たして内見の限られた時間の中でどこまで見抜けるのか?中古戸建ての内見で何をチェックすべき?

【チェック方法①】腐朽・シロアリ被害の有無を見抜くポイント

中古戸建の購入検討でぜひ押さえておきたいのが、建物の耐久性に直結する「腐朽(木材の腐り)」や「シロアリ被害」の有無です。

これらの被害は外から見ただけではわかりにくく、放置すると建物の強度を著しく損ねる危険があります。そこで、内見時に比較的簡単にできる以下のチェック方法を覚えておきましょう。

床下収納を開けて中をのぞく

内見時に床下収納口があれば、ぜひ開けて中をのぞいてみましょう。

一見キレイな室内でも、床下にはシロアリ被害や腐朽のサインが隠れていることがあります。

具体的には、以下のような点をチェックしましょう:

・湿気がこもってジメジメしていないか

・蟻道(ぎどう)のような土の通り道がないか

・羽アリの抜け殻や死骸が落ちていないか

・土が不自然に盛り上がっていたり、基礎部分に異変がないか

これらの兆候がある場合、すでに床下で腐朽やシロアリ被害が進行している可能性が高いため注意が必要です。

室内を実際に歩いて床のきしみや沈みを感じる

内見では、ただ室内を眺めるだけでなく、実際に歩いてみることがとても重要です。

特に、和室や廊下などで「ギシギシ」と音が鳴る場所はありませんか?

和室のきしむ音、気になったことがありますか?

 

「昔の家っぽくて味があるなぁ」と感じる人もいるかもしれません。

でも――その“きしみ”こそ、危険なサインかもしれないんです。

 

歩いたときに床が柔らかく沈む感触がある、一部だけ沈む箇所があるといった場合は、床下の木材が腐っていたり、シロアリによって内部が食われている可能性があります。

壁を軽く叩いて空洞音を探る

内見中、気になる壁があれば軽く手で「トントン」と叩いてみましょう。

そのとき、「カンカン」「ポコポコ」といった空洞っぽい音がしないか耳をすませてください。

実はこれ、壁の中の木材が腐ってスカスカになっているサインかもしれません。

見た目がキレイでも、内部ではシロアリ被害や劣化が進んでいることもあるんです。

叩いた場所ごとに音の響き方が違うと感じたら、そこには“何か”が隠れている可能性も。

【チェック方法②】建物の傾きを見抜くポイント

建物の傾きは、歩いてみて「なんとなく違和感がある」とすぐに気づく方もいますが、

「言われてみれば…でも正直よく分からない!」という方も多いのではないでしょうか。

そんなときに役立つのが、「水平器」です。

内見時に、床や棚の上に水平器を置くだけで、目では気づきにくい傾きも簡単にチェックできます。

 

最近はスマートフォンのアプリでも水平器機能が使えるので、わざわざ道具を用意しなくてもOK!無料アプリでも十分対応できます。

 

少しでも傾きがあるように感じたら、基礎や地盤のゆがみが関係している可能性も。気になった点はその場で担当者に質問してみましょう。

【チェック方法③】雨漏りを見抜くポイント

雨漏りは建物の劣化を進める大きな原因のひとつ。放置すると壁や天井の腐食、カビの発生、さらにはシロアリ被害の誘因にもなりかねません。内見時にはぜひ、次のポイントをチェックしてみましょう。

天井や壁のシミ・変色

水が染みこんだ跡は黄色や茶色のシミとなって現れます。特に天井の角や壁のクロスの継ぎ目、押し入れの天井部分などを注意深く見てください。

壁や天井の剥がれ・膨れ

クロスや塗装が剥がれたり、プクッと膨らんでいる箇所は雨漏りの可能性大。手で軽く触ってみて、湿っている感触があれば要注意です。

床や窓枠の周辺の湿気やカビ

雨水が伝ってきている場所は、床や窓枠まわりにカビや腐食が見られることがあります。特に和室の畳の端や、窓の下側をチェックしましょう。

屋根裏の点検口に登ってシミをチェックする方法

内見時に屋根裏の点検口があれば、ぜひ中を覗いてみることをおすすめします。

屋根裏の点検口は、通常は天井近くの収納や廊下の天井部分に設置されています。

小さな蓋のような形で、はめ込み式やネジ止め式の場合もあります。見つけたら開けて中をのぞいてみましょう。

 

屋根裏に入る際は、足元が不安定な場合が多いため、滑りにくい靴を履き、足場をしっかり確保して登ることが大切です。

無理をせず、怖い場合や点検口が狭い場合は、担当の方にお願いしましょう。

チェックポイント

・天井や梁に雨染み・シミがないか

・木材が湿っていないか

・カビ臭や湿気の臭いがしないか

これらのサインがあれば、過去あるいは現在も雨漏りがある可能性が高いので、担当者に確認してください。

【チェック方法④】水回りのチェック方法

キッチンや洗面所、トイレ、浴室といった水回りは、毎日の暮らしの中でもトラブルが起きやすい場所。

特に、中古物件では給排水設備の劣化や詰まり、異臭が発生していることもあります。

内見時には、以下のようなチェックをしてみましょう。

実際に水を流してみる

蛇口をひねって、水の出がスムーズか確認しましょう。

あわせて、流した水がすぐに排水されるかどうかも重要なチェックポイント。

水が一時的に溜まる、流れが遅い、といった場合は排水管の詰まりが疑われます。

異臭がある場合、水を流してみてから再チェック

内見時に下水のような臭いを感じたら、それは排水トラップの封水切れが原因かもしれません。

排水トラップには、通常「水のフタ(封水)」がたまっており、これが下水の臭いを室内に上げないバリアの役割を果たしています。

しかし、長期間使われていなかった物件では、封水が蒸発してしまい、そこから臭いが上がってくることがあります。

 

その場合は、少し水を流してからしばらく待って、臭いが消えるかを確認してみてください。

水を流したあとに臭いがなくなれば、封水切れが原因だったと判断でき、基本的には大きな問題ではありません。

シンク下・洗面台下もチェック!

シンクや洗面台の収納扉を開けて、配管の根元に水漏れの跡やシミがないかも見ておきましょう。

カビ臭や濡れ感がある場合は、水漏れが起きている可能性があります。

 

水回りは見た目だけでは分からないトラブルが潜んでいることもあります。

内見時には“実際に使ってみる”ことを意識してチェックするのがおすすめです。

これらの簡単なチェックは、内見の短い時間の中でもできる有効な方法です。

もし不安な点や怪しい箇所があれば、遠慮せずに不動産担当者に質問し、必要に応じて専門業者による詳細な点検を依頼することをおすすめします。

 

内見時のこうしたチェックで、将来的なトラブルを未然に防ぐ第一歩を踏み出しましょう。

築浅物件こそ注意!インスペクションを検討すべき理由

見た目がキレイでも中身に注意

築年数が浅い物件は、外見上の傷みが少ないため、逆に問題を見逃しやすいという落とし穴も。
売主の売却理由や、過去にトラブルがあったかどうかを、担当者にしっかり確認しましょう。

インスペクション(建物状況調査)の活用

不安がある場合は、第三者の専門家によるインスペクション(建物診断)を依頼するのもおすすめです。
建物の劣化や構造面の問題を調査でき、必要に応じて瑕疵保険の対象にもなります。

まとめ:中古戸建ては「見えない部分」がカギ!

この記事で紹介したチェックポイントを、分かりやすくリストにしてみました!内見のときにぜひチェックしてみてくださいね。

チェック項目確認内容問題のサイン備考
床下の確認床下収納口を開けて中をのぞく湿気・蟻道・羽アリの抜け殻・土の盛り上がり床下点検口がある物件で確認
床の状態室内を実際に歩いてみるギシギシ音、沈み、柔らかさ特に和室や廊下、1階全体を重点的に
壁の状態壁を軽く叩いて音を確認カンカン・ポコポコなどの空洞音内部の劣化やシロアリ被害の可能性
傾きの確認水平器やスマホアプリで傾きを測る明らかな傾きがある見た目だけでは気づきにくいので数か所で測定
雨漏りの跡壁や天井にシミ・膨れ・剥がれがないか確認変色、カビ、湿気の臭い押し入れ内や畳の端などもチェック
屋根裏の確認点検口があれば中をのぞくシミ、湿気、カビ臭足元注意。不安な場合は無理せず相談を
水の出・排水の様子蛇口をひねって水を流す水が出にくい、排水が遅い全ての水回りでチェックするのがおすすめ
異臭の有無排水口から下水臭がしないか確認臭いが続く場合は配管劣化や封水切れ一度水を流して消える場合は封水切れの可能性大
シンク下・洗面下扉を開けて配管の周辺を確認水漏れ跡、カビ臭、湿気見逃しがちなので注意して見ること

見た目のキレイさだけでは判断できないのが中古戸建ての難しさ。

でも、ポイントを押さえて内見すれば、安心できる家選びができます。

船場ホームなら、経験豊富なスタッフが内見時からしっかりサポート。

見逃しやすいチェックポイントも丁寧にご案内しますので、どうぞお気軽にお問い合わせください!

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この記事を書いた人

奥田 貫太(おくだ かんた)|船場ホーム 代表
宅建業界に携わって10年以上。現在は船場ホームの取締役として、住まい選びと住宅ローンのご相談を中心に、お客様の暮らしに寄り添うサポートを行っています。
とくに住宅ローンの仕組みや金利の選び方には詳しく、将来を見据えた無理のない資金計画づくりを得意としています。
趣味はサッカーと映画鑑賞。「住宅ローン、なんとなく選んでいいのかな…?」そんな不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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